金銭等の信託に係る会計処理 vol.1
信託にかかる会計処理について、以前に投稿しましたが、
もう少し詳細に解説したいと思います。
そもそも信託とは何か?
制度について概観してみます。
信託法 第2条第1号
第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。
信託は誰かのために、財産を他の者に託して管理・運用してもらう制度のことです。信託において登場する者は3者います。
信託法 第2条第4〜6号
4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。
5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。
6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。
委託者:財産を託す人
受託者:財産を託された人
受益者:財産から発生する利益を受け取る人
基本的に登場人物は以上の3者ですが、次のような場合もあります。
自益信託:委託者 = 受益者
自己信託:委託者 = 受託者
目的信託:受益者の定めがない信託
一方、委託者と受益者が異なる信託は「他益信託」と呼ばれます。
また、信託受益権という言葉も確認しましょう。
信託法 第2条第7号
7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。
信託受益権:信託財産から発生した利益を受け取る権利
信託に関する基本的な制度の理解としては以上とします。
次稿から会計処理について、いくつかの場合にわけて整理します。
(vol.2へ続く)