会社法上の会社区分

会社の形態としてはよく見かける株式会社が代表的なところかもしれませんが、

法律上は4つのタイプに分けられます。

 

・株式会社

持分会社

 - 合名会社

 - 合資会社

 - 合同会社

会社法 第2条第1項)

 

まずは株式会社からみてみましょう。

 

株式会社の特徴は様々ありますが、

出資者(株主)は出資した金額以上の責任を負いません。

会社法第104条)

そして、株主は保有している株式の内容、数量に応じて平等に扱われます。

会社法第109条第1項)

また、保有している株式を譲渡することができます。

会社法第127条)

 

例えば、株主A氏が100万円でB社に出資したとします。

この場合、A社は出資金額である100万円分の責任を負います。

会社の借金が1億円ある場合でも、出資金額の範囲に限定されます。

 

また、出資した金額を回収しようとする場合、第3者に譲渡することで、

投下した資金の回収ができることを認めています。

 

では、持分会社はどうでしょうか?

持分会社は3つの形態がありますが、出資者(社員)の責任範囲が異なります。

 

・合名会社:社員全員が無限責任

合資会社:社員の一部が無限責任、一部が有限責任

合同会社:社員全員が有限責任

 

ここで無限責任有限責任について簡単に説明します。

無限責任は、出資者が会社債務について会社が弁済できないときは債権者に対して責任を負うことです。

有限責任は、出資者は出資の範囲内で責任を負うことを言います。

 

さて、会社の分類にもう一度戻ります。

出資者の責任というところでは株式会社と合同会社は同じです。

では、どこに違いがあるのでしょうか?

 

持分会社は、他の社員の同意がなければ持分を譲渡できません。

会社法第585条第1項)

また、基本的に業務の執行等については、社員全員で行うことになります。

会社法第590、591条)

 

このように持分会社は属人性が強くなり、

各社員の方の意見や人間性が色濃く反映されることになります。