任意組合等に対する出資者(組合員)に関する会計処理 - vol.2 -
(vol.1から続く)
投資事業組合の形態についてみたところで、次に投資事業組合に対して出資を行う側の会計処理についてみていきます。
会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」によれば、任意組合、匿名組合、パートナーシップ、リミテッド・パートナーシップ等(以下、「組合等」)に対する出資者の会計処理としては、次の3つのパターンがあります。
①純額方式
B/S、P/Lともに持分相当額を純額で取り込む方式
②損益帰属方式
B/Sは純額、P/Lは勘定科目ごとの持分相当額を取り込む方式
③完全認識方式
B/S、P/Lともに勘定科目ごとの持分相当額を取り込む方式
また、組合等への出資に関しては、原則として、組合等の財産の持分相当額を出資金または有価証券*1として計上することになります。
*1金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされる場合
組合等の構成資産のうち、金融資産に該当する場合は金融商品会計基準に従って会計処理をすることになります。
簡単な設例で確認してみましょう。
例)前提条件は次のとおりとする。
・2021年4月、A社はB組合(商品ファンドではない)に対して5,000を出資した。
・A社、B組合はともに3月決算
・B組合に対する出資割合は30%
・B組合は出資割合に応じて純損益を組合員に分配する。
・各期の損益/2022年3月期:1,000、2023年3月期:500
(仕訳)
■出資時
出資金 5,000 / 現金 5,000
■決算時 - 2022年3月期
出資金 300 / 組合持分損益 300*2
*2 1,000 × 30% = 300
■決算時 - 2023年3月期
出資金 150 / 組合持分損益 150*3
*3 500 × 30% = 150
※ 勘定科目は適当な名称を用いること。
(参考)
会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」