Convertible Securitiesに関する主な論点についての整理 - vol.3 -

 

Convertible Noteを利用する場合の問題点を解決するための手段として、

Convertible Equityというものが考えられます。

 

Convertible Equityとは、ある資本を別の資本に転換することができる資金の調達方法を指した言葉です。

Convertible Noteは、負債で資金を調達した後に、資本に転換するというものでした。

負債であるから、返済義務や利払い等が発生するので、はじめから資本として資金を調達できれば、前回にみたような問題点を回避できるというわけです。

 

では、Convertible Equityとして資金調達を行う方法として、具体的にどのような手法が

考えられるでしょうか?

 

みなし優先株式というものがあります。

普通株式を発行して、株主間契約で優先株式と同等の要件を付与しておくというものです。発行するのが普通株式ですので、事務が誰にでもわかるものであり、投資時に評価をおおよそ決める必要がありますが、普通株式の発行ですのでB/Sに計上されるのが負債ではなく、資本ということになります。

 

普通株式を発行しますが、全株主の同意があれば発行した株式を他の種類株式に転換できるという要件を付与することになります。次回のラウンドで優先株式による調達が行われた場合でも、みなし優先株式で投資すれば同ラウンドで投資した投資家に劣後しないことになります。

 

このようにみなし優先株式はConvertible Noteに関する問題点を解決する手法ですが、

万能というわけでなく、みなし優先株式にもいくつかのデメリットがあります。

全株主と契約を結ぶ必要がありますし、次回のラウンドで優先株式による調達が行われる可能性がないと、株主間契約を結ぶ必然性はありません。

 

では、Convertible Noteのデメリットも解決して、みなし優先株式のデメリットも解決する方法はないのでしょうか?

 

それが有償新株予約権型のConvertible Equityと言われるものです。

 

次回はこちらについてみていきましょう。

 

(vol.4へ続く)