暗号資産の税務処理 - vol.1 -
暗号資産に関する税務処理について、国税庁から取り扱いについて公表されています。今回はこちらの取り扱いに基づいて、暗号資産の税務処理についてまとめてみたいと思います。
まずは、暗号資産とは何でしょうか?
法律上の定義について確認しましょう!
資金決済に関する法律 第2条
5 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する電子記録移転権利を表示するものを除く。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
つまり、暗号資産は商品やサービスの対価として利用できるものであり、それ自体に財産としての価値を持ちます。また、電子情報処理組織、平たく言えばコンピューターを用いて移すことが可能であるということです。
では、次は各フェーズでどのような処理をするのかについて、ひとつずつ、場合に分けてみていきましょう。
1.取得
対価を支払って購入した場合、暗号資産の取得価額は購入時に支払った対価の額となります。
2.売却
売却した場合の所得の金額は、譲渡価額と譲渡原価の差額となります。
例)1/1に3BTCを3,000,000円で購入した。1/15に0.4BTCを500,000円で売却した。
(計算)
所得金額 = 譲渡価額 − 譲渡原価
= 500,000円 − 400,000円*1
= 100,000円
*1 3,000,000円 ÷ 3BTC = 1,000,000円/BTC
1,000,000円/BTC × 0.4BTC = 400,000円
譲渡原価の計算方法は総平均法または移動平均法となります。
方法を選択しない場合、個人では総平均法、法人では移動平均法により計算します。
3.暗号資産を対価とした商品の購入
持っている暗号資産で商品を買った場合、暗号資産を譲渡したことになるので、所得金額は譲渡価額と譲渡原価の差額となります。
例)2/1に3BTCを3,000,000円で購入した。2/20に600,000円の商品Aを0.4BTCを支払って購入した。
(計算)
所得金額 = 600,000円 − 400,000円*2
= 200,000円
*2 3,000,000円 ÷ 3BTC = 1,000,000円/BTC
1,000,000円/BTC × 0.4BTC = 400,000円
譲渡原価の計算方法は総平均法または移動平均法となります。
方法を選択しない場合、個人では総平均法、法人では移動平均法により計算します。
(參考)