かいけいがく vol.6 - 総論 Part.6 -

(vol.5から続く)

 

先程の例では、単純に仕入と売上が1回だけある場合を考えました。

でも現実には同じような取引を日々、何度も繰り返すことが一般的ですよね。

そのような場合にはどのように決算書を作成すればいいでしょうか?

 

例)

2020/12/1:300円のりんごを仕入れる。

2020/12/20:400円で仕入れたりんごを売り上げる。

2020/12/30:400円のぶどうを仕入れる。

2021/1/4:500で仕入れたぶどうを売り上げる。

 

この場合の仕訳を考えましょう。

 

(仕訳)

2020/12/1

仕入 300 / 現金 300

 

2020/12/20

現金 400 / 売上 400

 

2020/12/30

仕入 400 / 現金 400

 

2021/1/4

現金 500 / 売上 500

 

ここで注目したいのは、最後のぶどうを500円で売り上げた取引はその前の3つの取引と違って翌年の2021年に行われていることです。

 

会社というものは設立されたら決められた期限に解散するものではなく、ずっと続いて活動していくことを前提としています。

 

このことを”継続企業の前提”と呼んだりします。

継続企業の前提(けいぞくきぎょうのぜんてい)とは、企業等が将来にわたって存続するという前提のこと。ゴーイングコンサーンgoing concern)とも呼ばれる。企業以外の組織体の場合は、継続事業の前提、継続組合の前提などと呼ばれることもある。

出典: 『継続企業の前提』フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』最終更新 2021年3月13日 (土) 17:06  UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%99%E7%B6%9A%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%89%8D%E6%8F%90

 

ずっと続いていくことを前提とするならば、どこかで区切って関係者の方々に報告する必要があります。自分たちが出資した会社がどうなっているのかは当然に知りたいからです。

 

通常は1年を基準に期間を区切ります。この区切られた期間のことを”会計期間”と呼びます。

1つの会計期間が終わったら、決算書を作成してその期間の会社の成績(これを経営成績と言います)がどうだったのかを株主に報告するのが株主総会です。

 

さて、先程の例で考えてみます。事業を行っている会社が12月決算であるとします。

そうすると、2020年12月期の経営成績はP/Lで以下のように表現されます。

(話をわかりやすくするためにそれ以外に取引はないものとします。)

 

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何か違和感がありますね・・・

確かに400円を売り上げて、仕入で700円を払っていますが、400円で仕入れたぶどうは翌期に売り上げていますから、そちらと対応させたほうがP/Lをみた方に誤解を与えないように思われます。

 

(vol.7に続く)