かいけいがく vol.21 - 有形固定資産 Part.1 -

(vol.20から続く)

 

本シリーズもvol.21まできました。

まだまだ説明することはありますが、気楽にお付き合い頂ければと思います。

 

本シリーズは、小学生や中学生、会計に馴染みのない社会で活躍する会社員や主婦の方々、現役を引退されたお年寄りの方々といった様々な方々に会計という道具を知って、何かお役に立てればと思い、書いています。

 

会計基準(ルール)は読みづらかったり、抽象的な概念も多々あるので嫌になってしまうこともありますが、そんな時は事例などで確認頂くとわかりやすいと思います。

 

会計基準は幅広い経済活動を取り扱うため、どうしても抽象的な表現にならざるを得ません。

でも実際にルールが適用される場合には具体的な場面に出くわす時ですよね。

身近な例に置き換えて、簡単な数値を用いて考えて頂ければ、かなりわかりやすいかと思います。

 

私が昔、会計を学び始めた時、とある方に言われました。

 

「サッカーと同じでルールブックばかり呼んでいても仕方ない。実際にボールを蹴って練習をしないと」

 

会計を勉強する場合、ルールを逐一読み込むというより、まずは事例をつかって学ぶほうが定着しやすいかと思います。

 

本シリーズでも、できる限り数値例を取り入れていくので、よくわからない場合にはそちらの方からご覧頂ければと思います。

 

それでは、本題に入りましょう!

今回からは固定資産についてです。

 

企業会計原則 第3 貸借対照表原則4B

 

固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。

建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定は、有形固定資産に属するものとする。

営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。

子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。

有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。

無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。 

 

固定資産に含まれる項目は多岐に渡り、一概に言い切ることは難しいですが、以下のように整理するものとします。

 

固定資産:継続的に保有される資産の内、短期的な売買を目的とするものではない生産設備及びそれに類似する資産

 

固定資産は有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の3つに区分されます。

まずは有形固定資産についてです。

 

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第22条

 

次に掲げる資産(ただし、第一号から第八号までに掲げる資産については、営業の用に供するものに限る。)は、有形固定資産に属するものとする。


一 建物及び暖房、照明、通風等の付属設備

二 構築物(ドツク、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。以下同じ。)

三 機械及び装置並びにコンベヤー、ホイスト、起重機等の搬送設備その他の付属設備

四 船舶及び水上運搬具

五 鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具

六 工具、器具及び備品。ただし、耐用年数一年以上のものに限る。

七 土地

八 リース資産(財務諸表提出会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であつて、当該リース物件が前各号及び第十号に掲げるものである場合に限る。)

九 建設仮勘定(第一号から第七号までに掲げる資産で営業の用に供するものを建設した場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。次条において同じ。)

十 その他の有形資産で流動資産又は投資たる資産に属しないもの 

 

有形固定資産は製造業の工場をイメージ頂ければと思います。

まずは敷地があり(土地)、工場(建物)があり、製品を製造するための設備があり(機械装置)、完成した製品をトラックに運ぶ運搬機があり(車両)、作業員の方々が使う工具などがあり(工具器具備品)…

 

生産活動に利用するための広範な手段が有形固定資産には含まれます。

 

(vol.22へ続く)