かいけいがく vol.22 - 有形固定資産 Part.2 -
(vol.21から続く)
有形固定資産を理解するために、いくつか押さえておきたい考え方があります。
まずは言葉を整理しておきましょう。
取得価額:買ったときの値段 + 付随費用
耐用年数:経済的価値を有するとされる使用期間
減価償却:経済的な価値が下がっていくことを費用計上により表現すること
減価償却累計額:減価償却費の累積金額を集計するための勘定科目
残存価額:減価償却を行ったあとに残る価値
帳簿価額:取得価額 - 減価償却費累計額
有形固定資産は買ったときの価格に据え付け等にかかる付随的なコストを合わせて、
取得価額とします。
そのうち、土地などの非償却性資産をのぞいて、つかっていけば傷んだり、経済的な優位性を失ったりすることで、価値が低下していきます。そのことを反映させるために、減価償却を行います。
耐用年数は減価償却を行う期間です。例えば、耐用年数が3年の場合、3年にわたって減価償却費を計上します。
その後に残る価値部分が残存価額となります。
例)当社は新規事業のため、生産設備900,000を取得した。工場に設置するための費用は100,000だった。法定の耐用年数は4年。残存価額は取得価額の10%とする。
2020/4/1(取得時)
機械装置 1,000,000*1 / 未払金 1,000,000
*1 900,000 + 100,000 = 1,000,000
2021/3/31(期末時)
減価償却費 225,000*2 / 減価償却累計額 225,000
*2 (1,000,000 * 0.9) ÷ 4 = 225,000
期末時点での帳簿価額:1,000,000 - 225,000 = 775,000
毎期、耐用年数が経過するまでの間は減価償却費を計上します。
2022/3/31(期末時点)
減価償却費 225,000 / 減価償却累計額 225,000
期末時点の帳簿価額:1,000,000 - 225,000 * 2 = 550,000
2023/3/31(期末時点)
減価償却費 225,000 / 減価償却累計額 225,000
期末時点の帳簿価額:1,000,000 - 225,000 * 3 = 325,000
2024/3/31(期末時点)
減価償却費 225,000 / 減価償却累計額 225,000
期末時点の帳簿価額:1,000,000 - 225,000 * 4 = 100,000
(vol.23へ続く)