かいけいがく vol.41 - 概念フレームワーク Part.2 -
(vol.40から続く)
会計についての基本的な考えを定めてから、それに基づいて会計基準の設定をすれば、
整合性のある会計基準の設定ができそうです。
このアプローチを演繹的アプローチと呼びます。
そしてこの方法を採用する際の元になるのが概念フレームワークというわけです。
概念フレームワークでは企業会計(営利を目的とする企業体についての会計)のうち、
主に外部報告向けの財務会計についての考え方を説明しています。
(資料中では財務報告という言葉が登場しますが、各関係者へ向けての会計報告なんだなと考えて頂ければと思います。)
まず、財務報告の目的を明確にしています。
ここでいうと目的とは、投資家が企業価値の評価と企業成果の予測を行うための、
投資のポジション(ストック)とその成果(フロー)を開示することとされています。
ストックを表すのが貸借対照表(B/S)、成果を表すのが損益計算書(P/L)等と
理解すればわかりやすいかと思います。
次に、財務報告の目的を達成するために、会計情報が備えるべき特性についてです。
討議資料では意思決定有用性と呼ばれます。
この特性は意思決定と関連性があること、一定の信頼できる情報であること(信頼性)という2つの特性に支えられます。
また、制約要因として内的整合性と比較可能性があります。
内的整合性とは、ある会計基準が基準全体を支える考え方と矛盾していないことを指します。そのような時に、個別の基準により作成された情報は有用であるとされます。
比較可能性は、同一企業の時系列比較、同一時点の企業間の比較ができるように会計情報が作成されることを指します。つまり、同一の事象には同一の会計処理、異なる事象には異なる会計処理をしなければなりません。
意思決定有用性とそれを支える特性との関係を図示すると、以下のようになります。
企業会計基準委員会 討議資料「財務会計の概念フレームワーク」
(vol.42へ続く)