"ありきたり”と”斬新さ”の共存
「伝統と革新」
「保守派と改革派」
どこにでもある”ありきたり”のことは”斬新さ”に比較すると軽視される傾向にあるように思われます。よくあること、大して珍しくないことは大概の場合、評価されることは難しいようです。
ですが、何らかの理由がありそれが存在するわけです。例えば、よく行くチェーンの定食屋やファミレス、ファストフードのお店などは、全国津々浦々、どこにでもあるかもしれませんが、提供されるサービスを求める人がいるからこそ成立しているわけです。決して物珍しさだけを求めている人ばかりではありません。
料理をうまいと感じる際、そこには未知への感動と、
既知への安堵という両面がある。
-芹沢達也『らーめん才遊記』
なるほど。
日常の生活において、毎日、新しい発見や気付きがあればそれは楽しいことかもしれませんが、どこかで”定番”を期待する気持ちもあります。「懐かしの〇〇」というフレーズはよく使われる言葉ですが、新規性だけを追い求めているばかりでなく、懐かしさを含んだ商品も同じように求められているということですね。
確かにいつもの安心の家庭の味ばかりでなく、たまにはどこかで美味しい食事をとってみたいという欲求はあるでしょう。
同じようなことは食の分野に限らず、あらゆることに適用できますね。
どんなことでも革新性の一辺倒では、多くの人に理解されないですし、ありふれている要素ばかりでは他との区別ができません。両方を包含する、どちらも提供することが大切なのかな、そんな風に思います。