かいけいがく vol.126 - 相続税 Part.5 -
”誰が相続するのか”、”どのような財産があるのか”、”どのように評価するのか”についておおよそ解っていただいたところで、簡単な事例を用いて相続税を計算してみましょう。
例)被相続人は配偶者と子供が2人(A氏とB氏とします)がいたとします。
相続財産は次のとおりです。
・預金:5,000万円
・土地:3,000万円
・株式:2,000万円
(計算)
法定相続人は配偶者と子供2人なので、合計3人
課税価格の合計額 = 5,000万円 + 3,000万円 + 2,000万円 = 1億円
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
課税遺産総額 = 課税価格の合計額 - 基礎控除額
= 1億円 - 4,800万円
= 5,200万円
法定相続割合に基づいて按分した場合の各人の取得額は次のとおりです。
(配偶者)
5,200万円 × 1/2 = 2,600万円
(子供2人)
A氏:5,200万円 × 1/2 × 1/2 = 1,300万円
B氏:5,200万円 × 1/2 × 1/2 = 1,300万円
相続税の速算表に当てはめて各人の税額を計算します。
(参考)
(配偶者)
2,600万円 × 15% - 50万円 = 340万円
(子供2人)
A氏:1,300万円 × 15% - 50万円 = 145万円
B氏:1,300万円 × 15% - 50万円 = 145万円
よって相続税の合計額は次のとおりです。
相続税の合計額 = 340万円 + 145万円 + 145万円 = 630万円
遺産分割協議の結果、次のように相続財産を分割することになったとします。
配偶者:預金2,000万円、土地3,000万円、合計5,000万円
A氏:預金2,000万円、株式1,000万円、合計3,000万円
B氏:預金1,000万円、株式1,000万円、合計2,000万円
各人の税額は相続税の合計額を上記の課税価格の比率で按分します。
配偶者:630万円 × 5,000万円 ÷ 1億円 = 315万円
A氏:630万円 × 3,000万円 ÷ 1億円 = 189万円
B氏:630万円 × 2,000万円 ÷ 1億円 = 126万円
上記で求めた金額から各種の税額控除を差し引いて納付税額を求めます。
例えば、配偶者ですと、配偶者控除として次の金額のうち、いずれか高い方の金額を控除することが出来ます。
(1)1億6,000万円
(2)配偶者の法定相続分
上記の例だと、(2)の金額は1億円×1/2=5,000万円と計算されますので、(1)の金額を控除することになります。よって配偶者の税額は0となります。
その他にも該当する控除項目があれば、控除することにより納付すべき税額を求めることになります。
(vol.127へ続く)