かいけいがく vol.99 - 四半期報告制度 Part.4 -

(vol.98へ続く)

 

・税金費用の計算

企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」

 

18. 期首からの累計期間に係る税金費用については、年度決算と同様の方法に代えて同期間を含む年度の税引前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税引前四半期純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法によることができる(会計基準第 14 項ただし書き)。  ・・・

 

上記の内容を数式で表現すると以下のようになります。 

 

見積実効税率 = 予想される年間の税金費用 ÷ 予想される年間税引前当期純利益

税金費用 = 税引前四半期当期純利益 × 見積実効税率

 

こちら、設例で確認してみましょう!

 

例)計算のための基礎となる数値は以下の通りとする。

・税引前四半期当期純利益:500・・・①

・予想される年間税引前当期純利益:2,000・・・②

・損金不算入項目:500(一時差異等に該当しない)・・・③

・税額控除:200・・・④

法定実効税率は30%とする

 

(計算式)

 

課税所得の見込額を算定する。

② + ③

2,000 + 500 = 2,500・・・⑤

 

⑤ × 法定実効税率

2,500 × 30% = 750・・・⑥

 

税額控除を考慮する

⑥ - ④ 

750 - 200 = 550・・・⑦(見積税金費用)

 

⑦ ÷ ②

550 ÷ 2,000 = 27.5%

 

よって、四半期税金費用は次のとおりに求められる。

 

① × 27.5%

500 × 27.5% = 137(端数切捨て)

 

(仕訳)

法人税等 137 / 未払法人税等 137

 

(参考)

企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」

 

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