かいけいがく vol.24 - 無形固定資産 Part.1 -

(vol.23から続く)

 

前回まで有形固定資産について説明してきましたが、今回は無形固定資産です。

その名の通り、物理的な実態ではなく経済上の権利として有しているものが、無形固定資産の範囲に含まれます。

ではどんなものが含まれるのでしょうか?

 

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第27条

 

次に掲げる資産は、無形固定資産に属するものとする。
一 のれん
二 特許権
三 借地権
四 地上権
五 商標権
六 実用新案権
七 意匠権
八 鉱業権
九 漁業権
十 入漁権
十一 ソフトウエア
十二 リース資産(財務諸表提出会社がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であつて、当該リース物件が第二号から前号まで、次号及び第十四号に掲げるものである場合に限る。)
十三 公共施設等運営権
十四 その他の無形資産で流動資産又は投資たる資産に属しないもの 

 

有形固定資産と同様に広範な領域にわたりますが、ここでは実務上、よく出くわすソフトウェアについて説明します。

 

企業会計審議会「研究開発費等に係る会計基準

 

一 定義

2 ソフトウェア
ソフトウェアとは、コンピュータを機能させるように指令を組み合わせて表現したプログラム等をいう。

 

日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第12号「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」第6条

 

6.本報告におけるソフトウェアとは、コンピュータ・ソフトウェアをいい、その範囲は次のとおりとする。
① コンピュータに一定の仕事を行わせるためのプログラム
② システム仕様書、フローチャート等の関連文書  

 

簡単に要約すると、次のように言えると思います。

ソフトウェア:コンピュータの処理の方法を定めた命令群

 

ソフトウェアですが、かかったコストの内、制作の目的によりいくつかに分類して、それぞれに異なった処理の方法を適用します。

f:id:tandonch:20210624101701p:plain

1つずつみていきましょう!

 

・研究開発費相当

企業会計審議会「研究開発費等に係る会計基準

 

三 研究開発費に係る会計処理

 研究開発費は、すべて発生時に費用として処理しなければならない。
 なお、ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当する部分も研究開発費として費用処理する。(注3)

 

(注3)ソフトウェア制作における研究開発費について
 市場販売目的のソフトウェアについては、最初に製品化された製品マスターの完成までの費用及び製品マスター又は購入したソフトウェアに対する著しい改良に要した費用が研究開発費に該当する。 

 

研究開発のためのソフトウェア制作費は発生時に費用処理します。

例)研究開発目的のため、ソフトウェア制作費として10,000を支出した。

研究開発費 10,000 / 未払金 10,000

 

(vol.25へ続く)