かいけいがく vol.48 - 減損 Part.1 -
(vol.47から続く)
今回は減損会計についてみていきましょう。
固定資産について、帳簿に計上されている金額がいいのか?、
投資回収は見込めるのか?といったことを検討して、
場合によっては帳簿の金額を変更する処理のことをいいます。
では具体的にみていきましょう。
減損は以下の手順で検討することになります。
・減損の兆候
二 減損損失の認識と測定
1.減損の兆候
資産又は資産グループ(6.(1)における最小の単位をいう。)に減損が生じている可能性を示す事象(以下「減損の兆候」という。)がある場合には、当該資産又は資産グループについて、減損損失を認識するかどうかの判定を行う。
減損の兆候としては、例えば、次の事象が考えられる。
① 資産又は資産グループが使用されている営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが、継続してマイナスとなっているか、あるいは、継続してマイナスとなる見込みであること
② 資産又は資産グループが使用されている範囲又は方法について、当該資産又は資産グループの回収可能価額を著しく低下させる変化が生じたか、あるいは、生ずる見込みであること(注2)
③ 資産又は資産グループが使用されている事業に関連して、経営環境が著しく悪化したか、あるいは、悪化する見込みであること
④ 資産又は資産グループの市場価格が著しく下落したこと
まずは、減損の兆候があるかどうかを確認します。
兆候がありと判定された場合、次の段階に進みます。
最初に兆候があるかどうか判定をおこなうのは、
すべての固定資産について検討する場合の実務上の負担を考慮してのことです。
減損の兆候がありと判断される例としては、以下のようなものがあります。
企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」
13.(1) 資産又は資産グループが使用されている事業を廃止又は再編成すること。事業の再編成には、重要な会社分割などの組織再編のほか、事業規模の大幅な縮小などが含まれる(第 82 項参照)。
14.(1) 材料価格の高騰や、製・商品店頭価格やサービス料金、賃料水準の大幅な下落、製・商品販売量の著しい減少などが続いているような市場環境の著しい悪化
基準で示される項目は一例であり、会社ごとの事情を考慮して判定することになります。
企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」
77. 減損の兆候があるかどうかについて、その程度は必ずしも画一的に数値化できるものではない。
したがって、状況に応じ個々の企業において判断することが必要である。
(vol.49へ続く)