「共同体」を新たに定義し直してみる

共同体(きょうどうたい)とは、同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結びついている人々の集まり(社会)のこと(地域共同体)。 


出典:『共同体』 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』最終更新 2021年7月1日 (木) 22:24 UTC、URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%BD%93

 

世の中には色々な集団があります。

例えば、行政上の括りですと以下のように分類できます。

 

地球 - 国 - 日本 - 東京都 - 千代田区 - ・・・ 

                       - 大阪府

            ・・・

       - アメリ

       - イギリス

          ・・・・

  

地球は様々な国から成っており、そのうち、日本は47都道府県があります。

東京都は23区とそれ以外からなり、千代田区は・・・といったように一つの要素は、

さらに複数の要素から構成されるといった具合です。

 

その一方、大きな括りは更に大きな集団のひとつの要素に成り得ます。

例えば、東京都や大阪府は日本という行政上の区分を構成します。

 

この考え方、ひとつの要素は更に複数の要素から構成され、

ひとつの要素は他の多くの要素と共にまた別の大きな要素を

構成するといった考え方は、広い範囲に応用できるように思います。

 

会社はどうでしょうか?

例えば、以下のような構成で成り立つとしましょう。

 

会社 = 経営陣 + 従業員 + 商品 + ブランド力 + 技術力 ・・・

 

ここでも同様のことが成立します。

 

経営陣は更に取締役や監査役、社長や会長といった要素からなりますし、

従業員も部長や課長、係長といったようにいくつかの要素から構成されます。

 

一方、会社は大きな分類で言えば、医薬品業界や自動車業界、建設業界といったように区分することができるでしょう。

 

他にも学校はどうでしょうか?

 

学校 = 生徒 + 教師 + 校風 + 部活動 + キレイな校舎 ・・・

 

生徒はひとりひとりが多様な存在であり、教師もひとりひとりがそれぞれの考えを持って教育活動に従事します。

学校は小学校や高校という区分、地域社会という区分に組み込まれるでしょう。

 

このように、共同体またはコミュニティーという枠組みは捉え方によって、

色々な”かたち”を持ち得ることになります。

 

地域の担い手不足を解消する考え方として、「関係人口」という考え方があります。

 

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。

地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。

引用元:総務省 関係人口ポータルサイト 

https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html 

 

地域社会では、その土地に住む人々が人口としてカウント、そして認識されるのが一般的かもしれませんが、地域の活性化のための方策として、このような柔軟な考え方を採用してみるのはとても有用だと思います。

 

物理的にその場所にいなくては、共同体を運営できないわけではないでしょう。

インターネットを活用すれば、世界中の色々なところに住みながらも、

多様な意見を集約して、電子空間上に”地域社会”をつくることも可能でしょう。

 

今は多様性の時代と言われることもあります。

様々な考え方をもった人々が、多様な方法で共同体に寄与することになるでしょう。

 

形式的なことに囚われずに、本質的に何が大切なのか?何を大切にするべきなのか?

そのような視点をみんなで持てればいいかな、そんな風に思います。

 

歴史を学ぶと社会の変化に対して順応できることはなかなか難しいように感じます。

決して新しく芽生えようとしている価値観、考え方、文化を否定することなく、

共同体のひとつの要素として認められるような寛容さを持つことが重要だと考えています。

 

ひとりひとりが他人の気持ちに寄り添うこと、他人の意見に耳を傾けること。

言葉にすればそれだけですが、「行うは難し」です。

 

私自身としても、そのような姿勢を常に保ちたいと思います。