かいけいがく vol.3 - 総論 Part.3 -

(vol.2から続く)

 

さて、取引は仕入れと売上が1回あるのみですが、この時点における決算書を作成してみましょう。

 

まずは、言葉の使い分けから確認しましょう。

決算書といった場合、含まれるものは様々ありますが、主なこととして、2つのことが求められます。

 

・利益の計算

・財産の計算

 

利益の計算については、以前に述べました。

 

売上 - 経費 = 利益

 

一般的にはこれで十分なのですが、少し厳格に述べると以下のように表現できます。

 

収益 - 費用 = 利益

 

意味するところは変わりません。ただし、会計の用語としては後者のほうが一般的なので、以後はこちらを用います。

 

「いくら稼いで、いくらつかって、結局のところ、もうけはいくら?」ということを少しむずかしい言葉で説明しただけです。

 

では、財産の計算は如何でしょうか?

 

ここで、資産と負債、そして純資産という言葉を定義しておきます。

 

資産(しさん、assets)とは、会計学用語であり[1]財務会計および簿記における勘定科目の区分の一つ。会社に帰属し、貨幣を尺度とする評価が可能で、かつ将来的に会社に収益をもたらすことが期待される経済的価値のことをいう。資産の額の総合計を総資産(そうしさん、total assets)と呼ぶこともある。

広義では、経済主体(家計企業政府)に帰属する金銭土地建物証券などの経済的価値の総称のことをいい、一般的用法ではこの意味で用いられる。

出典: 『資産』フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』最終更新 2021年3月13日 (土) 17:50 UTC、URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%87%E7%94%A3  

 

負債(ふさい、liabilities)とは、企業会計用語で、将来的に、他の経済主体に対して、金銭などの経済的資源を引き渡す義務のこと[1]

出典: 『負債』フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』最終更新 2021年3月15日 (月) 09:24  UTC、URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A0%E5%82%B5

 

純資産(じゅんしさん、net worthnet asset)は、会計学の用語であり、簿記における勘定科目の区分の一つである。会社の資産総額から負債総額を差し引いた金額を指す。なお、差引金額がマイナス(欠損)であっても「純資産」と呼ぶ。

貸借対照表は、資産の部、負債の部、純資産の部しか存在しない。純資産は、負債とともに貸方に記載される(貸借対照表に載る項目のうち「負債でないもの」である)。純資産は、株主に帰属する純粋な資産(株主資本)となる部分とそれ以外の部分に区分される。

かつては、資本(しほん、:capital)あるいは(広義の)自己資本(じこしほん、ownership equity)、株主資本(かぶぬししほん、shareholder's equity)と呼ばれていた。日本では2005年12月9日に企業会計基準委員会企業会計基準第5号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」において、「純資産」を正式名称と定義された[1]

出典: 『純資産』フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』最終更新 2021年3月25日 (木) 06:07 UTC、URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%94%E8%B3%87%E7%94%A3

 

かなりわかりづらいので 、要約すると以下のようになるかと思います。

 

資産:将来的にお金を得ることが期待される資源

 

負債:将来的にお金を引き渡す義務

 

純資産:資産から負債を引いた残り

 

かなり噛み砕いた表現ですが、あまり厳密性に拘ると事の本質がぼやけてしまうことがありますので、こちらで十分です。

 

上記のように定義したところで、財産の計算を考えてみましょう。

 

定義から次の算式が求められます。

 

資産 = 負債 + 純資産

 

つまり、資産(お金を得るための資源)から負債(お金を引き渡す義務)を差し引いたものが純資産(正味の取り分)となります。

 

決算書というのは、これら2つのことを如何に伝えるかということを様々な人々が試行錯誤しながら考えてきた結果、編み出された方法なのです。

 

まとめておきます。

 

・利益の計算

収益 - 費用 = 利益

 

・財産の計算

資産 = 負債 + 純資産

 

この2つの等式は会計の基本式となり、どれだけ複雑な論点になろうとも、根本のところではこれらの等式が存在します。

 

(vol.4に続く)