REAL四畳半主義者<鴨長明>かく語りき?
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
森見登美彦さんの傑作小説『四畳半神話体系』は、
四畳半で生活する学生が主人公を演じています。
その中の一コマで四畳半に閉じ籠もりひたすらに思索にふけるシーンがあります。
もしかして、これは鴨長明を参考にしているのかな?
(アニメ化もされて、そちらも同様に傑作ですね。)
鴨長明『方丈記』の有名な冒頭であるが、川の流れは絶えずに移ろいゆく、
人もその住処も同様であると謳っています。
京都の河合神社には鴨長明が晩年を過ごしたとされる方丈庵が展示されています。
以前、実際に見たこともありますが、とても質素で簡素なつくりをしていました。
ここで日がな一日、何を思って生活をしていたのかな?
無常。常なることは何もなくすべての物事は移ろいゆく。
だとしたら、何かに執着することに何の意味があるだろうか。
そんな思いで鴨長明は隠居したのでしょうか。
ミニマリストという言葉があります。
最低限のものをもって生きていく人々を指してそのように言われます。
物質的に豊かになったこの時代に対する、
アンチテーゼ的な考えが台頭してきたということなのでしょうか?
足るを知る。
何が必要か、何が大切かを考える時代に生きているのかもしれません。
その余裕を与えてもらったことに感謝するべきなのでしょう。
とある人が面白いことを言っていました。
「昔は食い物に困っていたが、今は生き方に困っている」
時代時代で考えるべきことががあるでしょう。
私は鴨長明の生き方が参考になるような気がしてなりません。
色即是空空即是色
あるようで無いものに囚われているのかもしれません。