一人会社について vol.2

次に機関の構成についてどのような設計が認められているのか、確認します。

 

まずは、そもそもとして株式会社の構成は規模等によってある程度、決まってきます。

 

ここでは、最もシンプルな会社の構成について考えてみます。

 

株式会社においては、株主総会が必要です。

 

会社法 第295条

第二百九十五条 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。

3 この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。

 

法律上、株主総会で決めなければいけないことは他の機関が決めることは出来ません。

では、株主総会以外の機関は何が必要でしょうか?

 

会社法 第326条

第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。

2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。

 

取締役を最低1名以上は設置しなければいけません。が、それ以外は自由に設計できます。もちろん、先程言ったように、会社の規模等によりある程度は制約されますが、最もシンプルに株式会社を構成しようとすれば、このように株式会社と取締役1名の簡素な構成にすることが可能です。

 

以上のようにルール上は、株式会社は株主総会と取締役1名で成立します。最初に述べた、部長や課長といった役職は内部での固有名詞であり、これらの方は使用人となります。

 

会社が何のためにあるかは、様々な方々が議論しており様々な意見があるので、ここでは差し控えますが、事業のために会社があるとすれば、法律上はこのように機関は極めてシンプルでOKです。

 

たくさんの人を雇って(雇用契約)、たくさんの土地や建物を持って(固定資産)といったような事業をひたすらに拡大していくことだけでなく、一人会社も形態としては問題ないですし、これからは一般的なのかなとも思います。