2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

知ることは如何にして血肉となるのか?

学校や会社、家庭や部活など、あらゆるところに学びの機会はあります。 ですが、そこで学んだことが後で振り返ったときに、本当に人生に有益であったと確信できることは、そうそうないかと思います。 自分から学ぶ意欲をもって学んだことは実際に役に立ちま…

<Valuation>会社や事業に関する評価 - vol.3 -

・マーケット・アプローチ マーケットにおける取引価額等を基にして評価を行う方法ですが、 いくつかの評価手法があります。 ここでは、株価倍率法を取り上げましょう。 株価倍率法はマーケットにおける上場会社の株価情報を基にして、 非上場会社の株式を評…

Convertible Securitiesに関する主な論点についての整理 - vol.4 -

有償新株予約権型Convertible Equityでは、株式ではなく新株予約権により資金を供給して、将来に所定の資金調達が行われた際には、転換対象となる株式を交付することになります。 ここで、新株予約権について復習しておきましょう。 会社法 第二条 二十一 新…

社会という漠然としたイメージに対する感想

とりとめもないことを考えたりするのが好きなのですが、 ここでは「社会的に意義のあること」とはどういうことなのか?、 ちょっと考えてみたいと思います。 社会とは人が集まって形作られるものであり、それは”玉ねぎ”のようなものだと考えています。つまり…

Convertible Securitiesに関する主な論点についての整理 - vol.3 -

Convertible Noteを利用する場合の問題点を解決するための手段として、 Convertible Equityというものが考えられます。 Convertible Equityとは、ある資本を別の資本に転換することができる資金の調達方法を指した言葉です。 Convertible Noteは、負債で資金…

Convertible Securitiesに関する主な論点についての整理 - vol.2 -

Convertible Securitiesに区分される投資スキームとしてはいくつかありますので、 順番にみていきましょう。 ひとつひとつの手法がどの点で異なるのかに着目すると、理解が捗ると思います。 アメリカで行われる投資の多くはConvertible Noteによって実行され…

Convertible Securitiesに関する主な論点についての整理 - vol.1 -

経済産業省から次のようなガイドラインが公表されております。 「コンバーティブル投資手段」活用ガイドラインについて (METI/経済産業省) こちらを参考にConvertible Securitiesと呼ばれる資金調達の方法について、 主な論点や制度的な特徴等について概観…

<Valuation>会社や事業に関する評価 - vol.2 -

(vol.1から続く) 企業価値評価といっても、そもそも企業価値とは?という問題があります。 何をするにも取り扱うべき対象は何であるかを明らかにすることは大切です。 B/Sをもとに考えてみましょう。 図示すれば以下のとおりです。 さてここで、B/Sをいく…

<Valuation>会社や事業に関する評価 - vol.1 -

みなさん、普段の生活において、スーパーやコンビニへ買い物に行くでしょう。 店頭に並べられている商品には値札が貼られており、その日の予算に応じて、 または必要とするものを買うことになります。 その時、目の前にある商品が本当に自分にとって価値があ…

金銭の信託の会計処理

金銭の信託については、信託財産を構成する金融資産及び負債について評価した額の合計額をB/Sに計上して、評価差額は損益として処理されることになります。 (仕訳) ■信託設定時 金銭の信託 ×× / 現金 ×× ■決算時 金銭の信託 ×× / 信託運用損益 ×× 金銭の信…

わかりやすく伝えること ⇄ 厳密性 ?

こちらのブログでは会計や税務に接点がない方々でも、その分野に興味を持ってもらって、自分で調べたり、勉強したりするきっかけになればいいな。そんな思いで書いていますが、わかりやすく説明することは難しいな。。。そのような感想を抱いております。 「…

有限責任事業組合(LLP:Limited Liability Partnership)について

「有限責任事業組合契約に関する法律」に定められる有限責任事業組合契約に基づいて成り立つのが、有限責任事業組合(以下、LLP)です。 有限責任事業組合契約に関する法律 第二条 この法律において「有限責任事業組合」とは、次条第一項の有限責任事業組合…

任意組合等に対する出資者(組合員)に関する会計処理 - vol.2 -

(vol.1から続く) 投資事業組合の形態についてみたところで、次に投資事業組合に対して出資を行う側の会計処理についてみていきます。 会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」によれば、任意組合、匿名組合、パートナーシップ、リミテッ…

現状と目標との差分の埋め合わせ

結構、気になっていることのひとつが”経験”を過度に重視するものです。 もちろん、経験が大切なのは否定しません。問題なのが、本来は評価対象となる人物が どういった人物なのかを対話しながら理解することが大切であるのに、それを怠ってし まい、後になっ…

任意組合等に対する出資者(組合員)に関する会計処理 - vol.1 -

「ファンド」とワードは経済ニュースなどで取り上げられることが多いですが、 「実際、ファンドって何?」、「よくわからないけど多くの資金を運用してる?」、 といった認識が一般的であるかと思います。 ですが、実際のところ、多くの場面で「ファンド」は…

取締役等の報酬等として株式を無償交付する取引の会計処理 - vol.3 -

(vol.2から続く) ②事後交付型 例)前提条件は次のとおりとする。 ・x1年6月に取締役5名に対して一定の条件を達成した場合、会社法第 202 条の 2 に基づく新株の発行を行う契約を取締役と締結することを決議し、同年7月に取締役と契約の締結を行った。 …

取締役等の報酬等として株式を無償交付する取引の会計処理 - vol.2 -

(vol.1から続く) (2)自己株式を処分する場合 こちらも設例を用いてみていきます。 例)前提条件は次のとおりとする。 ・x1年6月に取締役5名に対して会社法第 202 条の 2 に基づく株式の交付を行うことを決議し、同年7月に割当を行った。 ・取締役1…

取締役等の報酬等として株式を無償交付する取引の会計処理 - vol.1 -

会社法の改正により、上場会社の取締役等に報酬等として株式を無償で交付する場合、 金銭の払込みを必要としないことが定められました。 上記の取引に関して、企業会計基準委員会から実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関す…

日本版ESOPに関する会計処理 - vol.2 -

(vol.1から続く) ②株式給付型 従業員持株会型と同様の要件を満たす場合、会社は期末において総額法を適用します。 会社は従業員に割り当てられたポイントに応じた株式数に、信託が自社株式を取得した 時の株価を乗じた金額を基礎として費用および引当金を…

日本版ESOPに関する会計処理 - vol.1 -

従業員等に対して信託を通じて自社株式を交付する取引について、 企業会計基準委員会より当面の取り扱いに関する指針として、 実務対応報告第30号「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」が公表されています。 本稿では、…

権利確定条件付き有償新株予約権の取り扱い - 会計編 -

権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理についてみてみましょう。 こちらの処理は、実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」に準拠しますが。 当該実務対応報告に定めがない場合は、ストック…

金銭報酬に代わる非金銭報酬の提供について

働く上で何を求めるのかについては、色々な理由があるわけですが、 近年ではお金以外の要素もかなり考慮していく状況にあるように思えます。 もちろん、働くことで対価を得ることは現代の経済社会においては必須の要素でしょうが、それ以外の要素も同列程度…

かいけいがく vol.108 - 法人税 Part.6 -

(vol.107から続く) ③寄附金 ・国や地方公共団体に対する寄附金 ・指定寄附金 →全額損金算入 ・一般寄附金 ・特定公益増進法人に対する寄附金 →一定の限度額*1を超える金額は損金不算入 *1 以下の通り、算定される金額を損金算入の限度額とします。 一般寄…

かいけいがく vol.107 - 法人税 Part.5 -

(vol.106から続く) ②交際費等 (ⅰ)資本金が1億円以下の会社 損金不算入額は以下のいずれかの金額となります。 a.交際費等 - 定額控除限度額*1 *1 800万円 × 事業年度の月数 ÷ 12 b.交際費等 - 接待飲食費 × 50% (ⅱ)資本金が1億円超の会社 損金不算入…

かいけいがく vol.106 - 法人税 Part.4 -

(vol.105から続く) 前回までに法人税について概論を解説しました。 ここからは各論点ごとにみていきましょう! ①租税公課 会計上、所得に対する課税については、P/L上で「法人税、住民税及び事業税」(以下、「法人税等」)として税引前利益の後に表示され…

かいけいがく vol.105 - 法人税 Part.3 -

(vol.104から続く) ここで別表4をみると、「留保」と「社外流出」という文言があるかと思います。 これは一体何でしょうか? 出資の見返りとして、会社は利益のうちの何割かは株主に配当金という形で支払うことになります。 例えば、会社が決算を締めて利…

かいけいがく vol.104 - 法人税 Part.2 -

(vol.103から続く) 法人税を取り巻くルールがわかったところで、実際にどのように法人税が求められるかについて確認しておきたいと思います。 法人税は法人の所得に対して課される税金です。 その所得ですが、以下のとおりに算定されます。 法人税法 第二…

かいけいがく vol.103 - 法人税 Part.1 -

前回までは、会計(財務会計)の基本的な論点について解説してきました。 まだまだ取り上げることはありますが、ここで一旦は財務会計についてのお話は区切りをつけて、今回からは税務についてみていきます。 会計と税務は密接に関係しており、切っても切り…

どのように帳簿の体系<大枠&細部>を設計するのか?

帳簿と一口にいってもその範囲は様々です。 一般的な体系としては次のような枠組みになるでしょう。 (イメージ) 帳簿 - 主要簿 - 仕訳帳 - 総勘定元帳 - 補助簿 - 補助記入帳 - 現金出納帳 ・・・ - 補助元帳 - 得意先元帳 ・・・ もちろん会社によって体…

<書籍>『投資事業組合とは何か』著:田中慎一さん、保田隆明さん

投資ファンドという名称は、経済のニュースなどでよく見聞きすると思います。 ですが、その意味するところが何かを正確に理解している方は少ないと思います。 普段、接することがないですが、社会的に重要な存在である、 とても大きなお金を動かしているすご…