2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

かいけいがく vol.85 - 内部統制 Part.1 -

(vol.84から続く) 今回からは内部統制について解説していきます。 相次ぐ企業の不祥事を契機として、アメリカで制定されたサーベンス・オクスリー法(SOX法)を基に制定されたものが、ゆわゆる日本版SOX(J-SOX)といわれるものです。 現行制度上、内部統…

かいけいがく vol.84 - 事業分離 Part.4 -

(vol.83から続く) ・受取対価が現金等 & 株式の場合 (ⅰ)分離先:子会社 (個別) ・現金等の帳簿価額 > 移転事業の株主資本相当額 現金等は移転直前の帳簿価額により計上する。 移転事業の株主資本相当額を上回る場合、差額を移転損益として認識する。 …

かいけいがく vol.83 - 事業分離 Part.3 -

(vol.82から続く) (ⅳ)事業分離(前)株式を保有しない → (後)関連会社 (個別) 移転損益は認識せず、取得した関連株式の取得価額は移転した事業の株主資本相当額に基づいて算定する。 仕訳 関連会社株式 ×× / 移転事業 ×× (連結) 分離先企業の持分…

かいけいがく vol.82 - 事業分離 Part.2 -

(vol.81から続く) 2.受取対価が分離先企業の株式のみ 対価が分離先企業の株式の場合も、各パターンごとに分けて説明します。 連結上の処理は事業分離の前後で、分離先企業の持分がどう変わったのか、 分離した事業の持分がどう変わったのかに着目すると…

かいけいがく vol.81 - 事業分離 Part.1 -

(vol.80から続く) 今回からは事業分離についてみていきます。 前回までは企業結合についての説明でした。 結合企業を中心として、結合当事企業についての会計処理を解説しましたが、 事業を分離する側の企業(分離元企業)ではどのように処理をするのかに…

かいけいがく vol.80 - 企業結合 Part.3 -

(vol.79から続く) ・共同支配企業の形成 ある企業結合を共同支配企業の形成と判定するためにはいくつか要件があります。 ・共同支配投資企業となる企業が、複数の独立した企業から構成されていること ・共同支配となる契約等を締結していること ・原則とし…

かいけいがく vol.79 - 企業結合 Part.2 -

(vol.78から続く) 2.取得原価の算定 企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」 23.・・・取得原価は、原則として、取得の対価(支払対価)となる財の企業結合日における時価で算定する。 取得した企業又は事業の取得価額は支払った対価の時価によ…

原則は例外を包含する - 重箱の隅をつつくことは余計なコストを生み出すだけ -

数学の定理などを取り扱っている場合を除いて、 世の中の大半のことは原則的な考え方があり、一部に例外的な事象が存在しています。 少しの例外も認めない、些末なことを取り上げて批判することは、 余計なコストを社会に負担させているだけではないでしょう…

かいけいがく vol.78 - 企業結合 Part.1 -

(vol.77から続く) 今回からは企業結合に関する会計処理について確認しましょう。 現代では会社や事業を買ったり売ったりすることがよく行われます。 企業の組織再編に絡む処理を定めたのが、企業結合に関する会計処理です。 まずは定義を確認しましょう。 …

かいけいがく vol.77 - ヘッジ会計 Part.3 -

(vol.76から続く) ここで、為替予約等(為替予約や通貨スワップ等)の会計処理をみてみましょう。 金融商品会計基準に従えば、これらのデリバティブ取引は期末時に時価評価を行い、 評価差額は当期の損益として処理します。 ですが、外貨建金銭債権債務と…

かいけいがく vol.76 - ヘッジ会計 Part.2 -

(vol.75から続く) ヘッジ会計には大きく2つの方法があります。 原則的な方法は、ヘッジ手段に係る損益又は評価差額を、ヘッジ対象の損益が認識される時点まで純資産の部で繰り延べる方法(繰延ヘッジ)です。 ただし、ヘッジ対象に係る損益をヘッジ手段に…

かいけいがく vol.75 - ヘッジ会計 Part.1 -

(vol.74から続く) 会社は事業活動を営む上で様々なリスクに晒されることになります。 為替や金利、相場の変動のリスクを抱えています。 ここでいうリスクの意味を確認しておきます。 一般的に「リスク=危険」と認識されていますが、 ここで言うリスクとは…

すべてを包含して楽しいと思えることもある

何かに必死に取り組んでいる時、つらいことやきついこともあるかと思います。 毎日勉強するのが大変、毎日練習するのがきつい。 そんなこともあるでしょう。 でも、やっている当人からするとそれは望んでいることであり、投げ出したくなることもあったりする…

かいけいがく vol.74 - 外貨建取引 Part.2 -

(vol.73から続く) 次に在外支店の外貨建取引の換算処理についてみてみましょう。 本店と支店の財務諸表を合算して本支店合算財務諸表を作成する際の処理は、 原則として、本店と同様に処理します。 但し、以下の方法によることもできます。 *1 非貨幣性項…

かいけいがく vol.73 - 外貨建取引 Part.1 -

(vol.72から続く) 今回は外貨建取引について説明します。 外貨建取引は取引価額が外国通貨で表示される取引のことを指します。 外貨建取引は原則として、取引発生時の為替レート(HR:Historical Rate)により換算した円換算額で記録します。 例)A社はx1…

ローン・パーティシペーション - 債権流動化のひとつの手法 -

昔、会計やファイナンス関係のことについて勉強している時に、 思ったことがあります。 「いちいち用語がかっこいい・・・」 (中二心をくすぐるとはこういうことでしょうか。) 例えば、MSCB、デッド・アサンプション、バリエーション、 コンバーティブル・…

多種多様、多彩な選択肢がある方が集中するには向いている

ずっとひとつのことに集中すること、ひとつのことを考え続けることは、 とてつもなくすごいことでしょう。 数学者はずっとひとつの定理の証明はどうしたらいいのかを考えられるそうです。 普通の人間であればそれは難しいでしょう。 wired.jp 普通の人は同じ…

かいけいがく vol.72 - セグメント情報 Part.2 -

(vol.71から続く) 次は報告すべきセグメントの決定方法についてです。 以下の手順で報告セグメントを決定します。 ①事業セグメントの識別 ②集約基準に基づいて事業セグメントを集約 ③量的基準に基づいて報告セグメントを開示 ①事業セグメントの識別 次のす…

デット・エクイティ・スワップ - 債権者側の会計処理 -

デット・エクイティ・スワップ(Debt Equity Swap:DES)は読んで字の如く、 債務と株式をスワップ、つまり債務を株式化する取引です。 通常のB/Sは「資産 > 負債」となります。 ですが、業績が悪化した企業などでは、「資産 < 負債」となる場合があります。…

<Chromebook×Python><備忘録>Google Apps ⇒ (´Д⊂ヽ

Pythonは色々な使いみちがありますが、Google Apps(GoogleDriveやGoogleスプレッドシート)の操作をするには設定等をしなくてはならず面倒です。 「Chromebookを使ってるんだから、Google Apps使いたい!」というのは、 ごもっともなのですが、どちらかとい…

<Chromebook×Python><備忘録>環境設定

Chromebookは安価に入手できて、シンプルで動作も速いのがメリットです。 また、プログラミング学習するにも向いています。 www.google.co.jp 今回はChromebookでPythonを使う際の環境の設定について説明します。 環境設定で挫折する方も多いようで解説して…

かいけいがく vol.71 - セグメント情報 Part.1 -

(vol.70から続く) 今回はセグメント情報について取り上げましょう。 ひとつの会社の中でも色々な事業を行っている会社さんもありますよね。 その場合に事業単位ごとに業績を報告しましょう! というのが、セグメント情報の報告制度です。 では会社はどうや…

それでも”読む”ことは有用だといえると思う

頭の中は、本の山 永遠に読み続ける 悟ることなく -ポープ『愚人列伝』第三章 、194 読書は自分で考えることの代わりにしかならない。自分の思索の手綱を他人にゆだねることだ -ショーペンハウアー『読書について』 読むことの重要性は多くの人が強調してい…

REAL四畳半主義者<鴨長明>かく語りき?

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。 -鴨長明『方丈記』 森見登美彦さんの傑作小説『四畳半神話体系』は、 四畳半で生活す…

能力は多様な意味付けができる

定義づけが曖昧なまま使われている言葉は少なくありません。 個性や政治力などが該当するでしょう。 能力という言葉も同様かもしれません。 世間一般で使われる能力というのは、多くの場合は処理能力を指すのではないでしょうか。単位時間あたりに処理できる…

何に意義を感じるのかは人によって千差万別

食事をとることに楽しみがない人は少ないでしょうが、 そんなに関心がない人も一定数はいるでしょう。 スポーツ観戦が好きな人は熱狂的に好きですが、 あまり関心が無い方もいるでしょう。 学ぶことに意欲的な人もいれば、 あまり勉強は好きではない人もいる…

”統合管理システム” = 確定申告+仕訳入力+税金納付+登記申請+社会保険料納付+人材採用・・・

会社が事業を営むにあたって、必要になってくる要素は多岐にわたります。 帳簿をつける、請求書を発行する、採用の面接を行う、税金を納める・・・ 複数のタスクのために、処理するための機能を社内にもっている必要があります。 帳簿をつけるのであれば、会…

失敗した人々を何もしない人々が責めるのはおかしい

何かにつけて他人の失敗を責めずにはいられない人々が多いのは残念でなりません。 何かに挑戦すれば当然に失敗もあるはずです。 失敗しないことなどないはずで、 成功ばかりの人生は何もしていないことと同義でしょう。 既存の仕組みを運用する人たちも、も…

会社法上の会社区分

会社の形態としてはよく見かける株式会社が代表的なところかもしれませんが、 法律上は4つのタイプに分けられます。 ・株式会社 ・持分会社 - 合名会社 - 合資会社 - 合同会社 (会社法 第2条第1項) まずは株式会社からみてみましょう。 株式会社の特徴…

e-Tax…何故そうなった?

e-Taxについての批判は様々あるので逐一取り上げることはしません。 参考までにいくつかリンクを貼っておきます。 blogos.com neko-buchi.com papapico.hatenablog.com 例えば、e-Taxで財務諸表をCSVデータで提出する場合の作成方法についてです。 とても複…